建材業界はメーカーの営業は「きつそう」というイメージがありますよね。
結論は、「きつい点もあるが、売上が上がる仕組みがある点では、きつくないということです」
本記事では、営業マンの経験のある筆者が建材メーカーの営業の「きつい点、きつくない点」を紹介します。
コンテンツ
建材業界はきついイメージがつきもの
筆者もそうでしたが「建材業界」に対して「きつい」というイメージがあるのは仕方がありません。
施工店の職人さん、地場工務店の方の中には高卒や中卒の方も多く、どちらかというと気性が荒い人がいます。
このようなイメージがおそらく「建材業界」に対しての「きつい」というイメージを作っています。
その人たちと直接かかわる「営業マン」であればそれなりのタフさが求められると思われがちだと思います。
これは、半分正解で半分間違いです。
メーカーの営業マンが関わるお客様
多くの人が思い描いている、現場の人とのやり取りというのは「建材メーカー」の営業マンはほとんどありません。
基本的には、現場を管理している人や社長さんとのやり取りがメインになり、職人さんと接する機会はほとんどありません。
年に一度「忘年会」などで職人さんとお話しする機会もあります。
実際は優しい人も多く、メーカーを大事に思ってくれる人も多いので「怖いや気性が荒い」といったイメージは間違いです。
建材メーカー営業の仕事内容
私自身建材メーカーのルート営業として数年働いていました。
「きつい」かどうかは、自分の担当している業務内容とお客様次第という事が言えます。
建材メーカーの営業の種類は3種類
基本的に建材メーカーの営業の種類は3種類に分けられます。
【建材メーカー営業の種類3つ】
- ルート営業(1番数が多い)
- 開発営業(広域ビルダーを担当)
- 特需営業(ルートを通さず直接ハウスメーカーを担当)
※会社によってはより細かく細分化しますが大まかな種類はこの3つ。
【建材業界用語】
建材業界ではお客様(住宅会社)の規模によって言い方を変えています。
「工務店」:地場に根を張って住宅を建てている会社
「ビルダー」:県を跨いで家を建てている住宅会社
「ハウスメーカー」:プレハブと呼ばれる住宅を全国で建てている住宅会社
建材メーカーの「ルート営業」とは?
建材メーカーの「ルート営業」は、メーカーからエンドユーザーまで、商品の流れに関わる業者をフォローする営業です。
【建材メーカーのルートの流れ】
①「メーカー」
↓
②「商社・代理店」
↓
③「販売店」※材料屋さん
↓
④「施工店」※工事屋さん
↓
⑤「住宅会社」
建材メーカーのルート営業ではこのように、材料が流れていく「ルート(流通)」すべてのお客様をフォローするのが仕事です。
お金のやり取りは②「商社・代理店」のみです。
建材メーカーの開発営業とは?
建材メーカーの「開発営業」とは、「広域ビルダー」の本社を担当する営業の事を言います。
オープンハウスやミサワホームなど、住宅展示場などに店舗を構えています。
ハウスメーカーは、展示場の出先とそれを管理する本社部門があります。
この本社部門の担当を開発営業マンが行います。
出先の店舗のフォローはルート営業マンの担当です。
本社とは「価格の取り決め」や「仕様決め」などを行います。
全国の店舗で商品が使われるかどうかは本社の取り決めの中で決められます。
建材メーカーの「特需営業」
建材メーカーの「特需営業」とは、ルート(流通)を通さず、直接大手ハウスメーカーの担当をする営業です。
大和ハウスや積水ハウスなど全国規模プレハブメーカーでは、自社工場の中である程度の住宅の枠組みを作っています。
そのため、直接材料をメーカーから仕入れていることが多いです。
営業がきついかは担当業務による
建材メーカーの営業がきついかどうかは「担当している営業やお客様」よって、違います。
それでは、きつい点ときつくないと思える点を紹介していきます。
建材メーカーの営業のきつい点
まずは、きつい点から紹介していきます。
大きなお客様を担当するときつい
これは、「ルート営業」「開発営業」「特需営業」どの営業にも当てはまります。
営業所や会社にとって重要なお客様を担当する場合は、責任やプレッシャーなどのきつさがあります。
売上の大きなお客様は「交渉力」が大きいので、それなりに先方の要望に応えることが求められます。
そのため、会社とお客様との板挟みになることが多いです。
見積もりが多いと大変
図面からの拾い出しや材料の見積もりなどお客様からメーカーに見積もりの依頼をしてくることがあります。
見積もり件数が多いと、事務所にこもりっぱなしになるため、本来の営業が出来ずに「きつさ」を感じるようになるでしょう。
お客様によっては飲み会が多い
「ルートの営業マン」にとって流通にかかわるお客様をフォローすることが必至にななります。
販売店(材料屋)や施工店の社長さんの中には、メーカーと飲みに行くのが大好きな人たちが一定数います。
飲み会の付き合いでどのメーカーを決めるかを決める人もいますので、そういうお客様を担当する場合は「きつい」でしょう。
価格の交渉がきつい
建材メーカでは数年前まで多くの企業が「売上至上主義」で、売上重視の営業がされてきました。
しかし、現在は利益の見直しなどで、値上げ交渉を行わざる得ない状況となっています。
建材メーカーでは、「売上至上主義」の名残で、良く分からない値引きルールや価格が残っており、それを正しく見直すことには骨を折ります。
建材メーカーのきつくない点
それでは、次に建材メーカーの「きつくない」と思える点を紹介します。
売上が勝手に上がる
言葉に語弊があるかもしれませんが、建材メーカーの売上は勝手に上がります。
特にルート営業の場合すでに出来上がっている「ルート」を担当するため、一定の売上は上がるように仕組みが出来ています。
そのため、やることはお客様のフォローだけで済みます。
これはBtoBの特徴でしょう。
BtoCの営業マンであれば、エンドユーザーに物を売らなければ売上が0ということも考えられます。
お客様との関係を築ければ楽
建材メーカーの特徴は、「一度お客様との関係」を作ると、自走してくれるというメリットがあります。
自社商品を営業してくれる営業マンを他社に作るということです。
建材メーカーは知名度があるので営業しやすい
建材メーカーは昔からある企業や、大手企業の子会社なので、その業界にいる人であれば「社名」を言えば、話を聞いてくれます。
これは、飛び込み営業などをする場合のメリットです。
邪険に扱われたり門前払いされることが無いので、そういった営業をしている人たちと比べるときつくない点です。
働いてる側の意見は「きつくない」
正直「きついポイント」と「きつくないポイント」を上げればキリがありません。
実際に建材メーカーの営業として働いていた筆者の感覚だと建材メーカーの営業は「きつくない」です。
※他の多くの業界の営業をみて
きつくない最大のポイントは「売上が上がる仕組みが出来ている」という点。
もちろん、数字を上司から詰められることはありますが、「売上が0」ということはありえません。
お願いをすれば付き合いで在庫をしてくれるお客様は一定数います。
各業務やお客様の担当、社内の人間関係など自分ではコントロール出来ない部分の「きつさ」は確かにあります。
しかし、仕事という点で考えると「売上が上がる仕組み」というのは非常に強いです。
中途でBtoCの営業をしていた転職者の話を聞くと、こんなに「売上が上がる仕組みが出来ているほど楽なことはない」と言います。
建設業界への就職はやめとけは本当か?
建材、建設業界自体は、衰退産業ではあることには変わりはありません。
日本の人口の将来予想を見ると一目瞭然です。今後、建物の需要は明らかに減ってくると言えるでしょう。
もちろん、老朽化が進んだ建物の修繕や建て替えなどの一定の需要はあり続けますが、新たな建設はもうすでにピークを超えていると言えるのではないでしょうか。
今後、海外の移住者が増えるなど、何か特別なイベントがない限り、今後の成長が起こる産業とは言えないのは事実です。
同じ業界でも強い会社に移ることや、新たな成長産業に移るということも常に考えていかないといけないでしょう。
内定がすぐにもらえた私の転職体験談
私自身、最初は友人の勧めで気軽な気持ちで転職エージェントのアーシャルデザインに登録しました。
当時、仕事に対するやる気がなく、期待もしていませんでした。
しかし、この一歩が私の人生を大きく変えてくれました。
エージェントから企業を紹介される
最初は「自分にはオファーは来ないだろうな」と思っていましたが、現実は違いました。
担当のアーシャルデザインのエージェントから早めにカウンセリングの日程調整の連絡がありました。
私は「まだ転職するか分からないし、自信がない」と伝えましたが、エージェントは「転職をするかどうかは決まっていないこと」「最終的に転職しない人もいること」を教えてくれました。
「それなら良いかな」と思い、カウンセリングに参加しました。
今の仕事を辞められると思うと楽になる
実績はなかったため、多くの企業を紹介してもらったわけではありませんが、3社ほどの紹介を受けました。
これを知った時、「自分にも転職できる選択肢があるんだ」と思い、今の辛い状況に馬鹿馬鹿しさを感じるようになりました。
その後、他の転職エージェントにも登録し、いくつかの企業を紹介してもらいました。
単純なことですが、「他にも会社はある」ということを知っただけで、心の負担が軽くなりました。
紹介してもらえるということは、「自分は無能ではない」と思えたのです。
結果として、いつでも辞めることができるという自信が生まれ、今の仕事に対する気持ちも楽になり、もう少し頑張ろうという気持ちになりました。
その後、いくつかの面接を受け、1社から内定をもらいました。
実際にはその時は行かずに現在の仕事を続けましたが、「選択肢」が増えたことで自信がついたことを覚えています。
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