この記事の要点
- 連絡すら取れなくなるのは、それだけ精神的に追い込まれているサイン。無理をする必要はない
- 会社側がまず心配するのは、本人の安全。多くの場合、連絡がついただけで安心する
- 連絡できるタイミングで一度連絡を入れれば、リカバリーは十分可能
- 無断欠勤が長期化すると懲戒解雇扱いになる可能性があるため、法的な扱いは知っておいた方がよい
入社したばかりなのに、もう連絡すら取れなくなってしまった。あるいは、このまま何も言わずに消えてしまいたいと感じている。そんな状態で自分を責めてしまっている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、元人事責任者・マネージャーとして、連絡が取れなくなってしまった方の近しいケースに向き合ってきた立場から、会社側が実際にどう受け止めているか、そこからのリカバリー方法、そして法的な扱いについて正直にお伝えします。
バックレてしまった人を、会社は実際どう見ているか
正直にお伝えすると、実際にいわゆる「バックレ」そのものに直面した経験はないのですが、近しいケースには関わったことがあります。連絡が取れなくなってしまった方がいて、後から連絡が取れた際に、体調不良や精神的に滅入ってしまっていたことがわかったケースです。
その時に本音として一番強く感じたのは、まずその人の安全が心配だったということです。連絡が取れて一安心した、というのが正直なところでした。社会人としては、何も連絡をせずに姿を消してしまうことは望ましい対応ではありませんが、それだけ追い込まれてしまっていたのかと思うと、事前に何か察知できなかったかと、自分たちの対応を振り返る気持ちの方が大きかったです。
なぜ連絡すらできなくなってしまうのか
「一言伝えればいいのに」と外から見れば思うかもしれませんが、それだけ本人が追い込まれているということなのだと思います。連絡すること自体が大きな精神的ストレスになってしまい、結果として距離を取る、つまり連絡自体を避けてしまうという構造です。
ただ、これは仕方のないことでもあります。そこまで追い込まれてしまっているのであれば、無理をして連絡するよりも、まず自分の安全と健康を優先してもらった方がいいと考えています。甘いと言われるかもしれませんが、無理をしてほしくないというのが正直な思いです。
連絡が怖くなっている時に、知っておいてほしいこと
- まともな会社であれば、連絡が取れたこと自体を安心材料として受け止める
- 怒られることを恐れて余計に連絡できなくなる、という悪循環に陥りやすい
- まずは自分の心身の安全を最優先にしてよい
バックレてしまった後にできること
連絡できるタイミングが来たら、まずは一度連絡を入れることをおすすめします。まともな会社であれば、それだけで一安心する反応になるはずで、その状況で強く怒るという対応をする会社は多くありません。
リカバリーは十分に可能です。連絡が取れなかった、追い込まれてしまった理由があるのであれば、それを一緒に解決していこうと手を差し伸べるのが、本来の上司の対応です。今の仕事内容が精神的な負担になっているのであれば、より負担の少ない仕事にアサインし直すという対応も現実的にあり得ます。
元人事として言える、退職代行を使っていい場面
採用側からすると「退職代行を使った」こと自体はマイナスになりません。連絡を絶ってしまうより、第三者を通じてでも意思表示をした方が、次の転職に響きにくくなります。どうしても自分で連絡できないなら、使うべき場面はあります。
法的な扱いと、その後のキャリアへの影響
知っておきたい法律上の扱い
無断欠勤は労働契約上の債務不履行にあたり、目安として2週間以上正当な理由なく無断欠勤し、出勤の督促にも応じない場合は懲戒解雇の対象になり得ます。会社によっては、就業規則の規定に基づき「本人からの退職の申し出があったものとみなす」自然退職として処理されるケースもあります。また民法627条では、2週間以内に退職して会社に損害が生じた場合、会社側が損害賠償を請求できる可能性があるとされています。ただし、実際に損害賠償まで発展するケースは限定的です。
給料・私物・連絡まわりで、知っておきたいこと
給料は働いた分、必ずもらえる:バックレてしまったとしても、それまで働いた分の給与は労働基準法の「賃金全額払いの原則」により支払われる権利があります。会社が罰金や迷惑料といった名目で給与から一方的に天引きすることは、原則として違法です。私物の返却は別途相談しつつ、給与の請求自体は独立した権利として考えて問題ありません。
家族への連絡・警察の捜索願について:連絡が取れない状態が続くと、会社が緊急連絡先として登録されている家族に連絡を取ることはあり得ます。ただし、警察への捜索願(行方不明者届)は本来家族・親族が届け出るべきもので、会社が独断で提出するケースは多くありません。本人が家族や知人とは連絡が取れているのであれば、過度に心配しすぎる必要はないでしょう。
その後のキャリアという点では、正式な形で退職の意思を伝えて辞める場合と比べると、印象面での差は出てしまいます。前職についてリファラル(推薦)を求められた際に、社会人としての振る舞いとして良い印象を持たれにくくなる可能性はあります。
ただし、それだけ追い込まれ、逃げざるを得ない状況だったのであれば、それは仕方のないことです。プラスの評価にはならないかもしれませんが、そこから新しいキャリアを築いていくことは、誰にでも十分にできます。
よくある質問
Q. バックレてしまいました。今からでも連絡した方がいいですか?
A. はい。連絡できるタイミングで一度連絡を入れることをおすすめします。まともな会社であれば、まず安全を心配し、連絡が取れたこと自体を安心材料として受け止めます。
Q. バックレは法的にどう扱われますか?
A. 無断欠勤が2週間以上続き、出勤の督促に応じない場合は懲戒解雇の対象になり得ます。会社によっては自然退職として処理されるケースもあります。
Q. バックレたことで損害賠償を請求されることはありますか?
A. 制度上は請求される可能性がゼロではありませんが、実際に損害賠償まで発展するケースは限定的です。過度に恐れすぎる必要はありません。
Q. バックレたことは、その後のキャリアに影響しますか?
A. リファラル等で前職を調べられた際、印象面での差が出る可能性はあります。ただし、追い込まれた末の選択であれば、そこから新しいキャリアを築くことは十分に可能です。
Q. バックレた場合、働いた分の給料はもらえますか?
A. はい。働いた分の給与は労働基準法の賃金全額払いの原則により支払われる権利があります。会社が罰金や迷惑料の名目で一方的に天引きすることは原則違法です。
Q. 会社が家族に連絡したり、警察に捜索願を出したりすることはありますか?
A. 緊急連絡先の家族に会社が連絡することはあり得ますが、警察への捜索願は本来家族・親族が届け出るべきもので、会社が独断で提出するケースは多くありません。
連絡すら取れなくなってしまうほど追い込まれているのなら、まずは自分の心身の安全を最優先にしてください。まともな会社であれば、連絡が取れたことに安心こそすれ、強く責めることはありません。連絡できるタイミングで一度連絡を入れ、そこから少しずつリカバリーしていけば大丈夫です。
元人事として言える、退職代行を使っていい場面
採用側からすると「退職代行を使った」こと自体はマイナスになりません。連絡を絶ってしまうより、第三者を通じてでも意思表示をした方が、次の転職に響きにくくなります。どうしても自分で連絡できないなら、使うべき場面はあります。
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