この記事の要約
「入社2年目なのに、任される仕事がほとんどない」——そう感じている方へ。元人事責任者として若手社員の評価・育成に携わってきた筆者が、2年目で窓際族になってしまう本当の構造と、そこから抜け出せる人・抜け出せない人の違い、転職すべきかどうかの判断基準を解説します。
「入社2年目なのに、任される仕事がほとんどない」「気づいたら周りから孤立して、雑用ばかり回されている」。そんな状況に、まさか自分が「窓際族」になるとは思わなかった、と戸惑っている方も多いのではないでしょうか。
私はこれまで人事責任者として、若手社員の評価や育成に長く携わってきました。2年目という早い段階で「任せる仕事がない」状態に陥ってしまう社員を、実際に何人も見てきています。
この記事では、なぜ2年目という早い時期に窓際族化してしまうのか、その構造と、そこから抜け出せる人・抜け出せない人の分かれ道、そして今の会社で頑張るべきか転職すべきかの判断基準について、できるだけ正直にお伝えします。
補足データ
マイナビキャリアリサーチLabの調査(2025年)によると、正社員の「静かな退職」(やりがいや昇進を求めず、決められた仕事だけを淡々とこなす働き方)をしている割合は4割を超えており、20代に限ると46.7%にのぼります。また、エン・ジャパンの調査では、人事・採用担当者の5社に1社が「静かな退職状態の社員がいる」と回答しています。窓際族的な状態は、一部の特殊なケースではなく、多くの職場で起きている現象だと言えます。
こんなサインに心当たりはありませんか?
- 最近、1on1や上司との面談で具体的な仕事の話をしていない
- 任される業務が雑務・単純作業ばかりになった
- 会議や重要な情報共有に呼ばれなくなった
- 「評価が下がった理由」を具体的に説明されないまま、今の状況に至っている
- チーム内で自分だけ手持ち無沙汰な時間が多い
3つ以上当てはまる場合は、すでに「窓際族」的な状態に片足を踏み入れている可能性があります。
なぜ2年目という早さで「窓際族」になってしまうのか
窓際族というと、年配社員が閑職に追いやられるイメージを持つ方が多いかもしれません。ですが、2年目という若い段階で起きる窓際族化には、少し違った構造があります。
会社が任せる仕事は、基本的にその人のそれまでの評価に基づいて決まります。つまり、任される仕事がほとんどない、あるいは重要でない仕事にしか携われていないという状態は、会社からの評価が下がっているというサインです。
では、なぜ評価が下がってしまうのか。多くの場合、そこには次のようなプロセスがあります。
- 任された仕事の質が求められる水準に届かない
- 評価が下がる
- 任される仕事がさらに減っていく
- 教育の手が回らなくなる、あるいは十分な教育を受けられないまま放置される
体調不良が続いて任せられる仕事が限定的になってしまうケースなど、きっかけは人によってさまざまです。ただ、どのケースでも共通しているのは、いったんこの流れに入ると、自然には抜け出しにくいということです。
なお、「教育されない」という点については、会社側の余裕のなさが原因のこともあれば、そもそも手厚い教育をしない社風で「自力でなんとかしてほしい」というスタンスの会社であることも少なくありません。会社の問題であるケースも、決してゼロではないのです。
窓際族から抜け出せる人・抜け出せない人の分かれ目
では、この状態から抜け出すにはどうすればいいのか。私が見てきた中で言えるのは、まず「与えられた仕事を丁寧にこなすこと」に尽きます。
窓際族状態にあっても、時々小さな仕事や雑務を任せられるチャンスが巡ってくることがあります。それがどんなに些細な仕事であっても、求められている質でしっかり提供する。この積み重ねが、評価を少しずつ取り戻す唯一の道です。
そしてもう一つ重要なのが、「今の現状を変えたい」と自分から素直に相談しに行けるかどうかです。これができるかどうかで、大きな一歩になります。
正直にお伝えすると、周囲が窓際族社員を見る目には「自らそうなっているのではないか」という疑念が混じっていることが少なくありません。その疑念がある限り、周りは積極的に手を差し伸べようとは思わないものです。誰もが自分の仕事で精一杯ですし、窓際族社員を育てたところで、それが自分の評価につながるわけでもないからです。
だからこそ、最初の一歩は自分から動くしかありません。今の状態から本気で抜け出したいのか、それとも今のままでもいいと思ってしまっているのか。ここが、最大の分岐点です。この記事にたどり着いた方は、おそらく前者のはずです。
今の会社で頑張るべきか、転職すべきかの判断基準
努力しても状況がなかなか変わらない場合、今の会社で粘るべきか、見切りをつけて転職すべきか悩む方も多いと思います。私なりの判断基準をお伝えします。
少しずつでも役割が戻ってきているなら、頑張る価値がある
もし、少しずつだけど任せられる仕事や役割が増えてきているという実感があるなら、それは会社があなたに期待を持ち始めているサインです。この段階であれば、今の環境で頑張ってみることをおすすめします。この状態から抜け出せた経験は、自信にもなりますし、成長にも大きく寄与します。
努力しても変化がないなら、転職を検討すべき
一方で、行動できる状態にまで戻れているのに、それでも状況が一向に変わらない場合は、次の職場を探した方が現実的です。一度会社の中で固まった評価を覆すのは、正直かなり難しいものです。上長の間で「あの人はそっとしておいてほしい」というスタンスが共有されてしまっていることもあります。会社としては、評価の低い人を立て直すよりも、評価の高い人材を育てて即戦力にする方が業績への貢献が大きい、という現実的な判断が働くからです。こうした環境に居続けても、改善はなかなか見込めません。
また、教育を放棄している、そもそも面倒を見る社風がないなど、会社側に構造的な問題があるケースもあります。その場合は、早めに見切りをつけた方が良いでしょう。
| 状態 | おすすめの選択 |
|---|---|
| 少しずつ仕事・役割が増えてきている | 今の会社でもう少し頑張ってみる |
| 行動しても数ヶ月〜半年単位で変化がない | 転職を検討する |
| 会社側が教育を放棄している/面倒を見ない社風 | 早めに見切りをつける |
| 体調不良などやむを得ない事情が背景にある | まずは体調回復を優先し、産業医・人事に相談する |
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「窓際族」と混同されやすい言葉の違い
窓際族:重要な仕事を任されず、組織の中心から外れた立場に置かれている状態を指す俗語です。
社内失業(社内ニート):企業に籍はあるものの、実質的に仕事がほとんどない状態を指します。窓際族とほぼ同義で使われることが多い言葉です。
静かな退職(クワイエット・クワイティング):本人が意図的に、必要最低限の仕事だけをこなす働き方を指します。窓際族が「会社側の評価によって仕事を減らされる」状態であるのに対し、静かな退職は「本人が自らペースを落とす」という違いがあります。
よくある質問
Q. 入社2年目で仕事を任されなくなるのは、よくあることですか?
A. 珍しいことではありません。ただし放置しておくと状況が固定化しやすいので、早めに気づいて動くことが重要です。任された小さな仕事を丁寧にこなすことから、評価は少しずつ取り戻せます。
Q. 窓際族になったのは、自分のせいだけなのでしょうか?
A. 本人の問題と会社側の問題が複合的に絡んでいるケースが多いです。教育体制が手薄な社風であるなど、会社側に構造的な原因があることも珍しくありません。
Q. 自分から動いても状況が変わりません。どうすればいいですか?
A. 行動できる状態にまで戻っているにもかかわらず状況が変わらないなら、社内での評価はすでに固定化されている可能性が高いです。その場合は、転職して環境を変える方が現実的です。
Q. 転職すべきか、今の会社で頑張るべきか、判断のポイントは何ですか?
A. 少しずつでも任される仕事や役割が増えてきているなら、会社からの期待が戻ってきているサインなので頑張る価値があります。努力しても変化がない場合や、会社側に教育を放棄する構造的な問題がある場合は、転職を検討することをおすすめします。
まとめ
今の環境を変えたいのであれば、まず目の前の仕事に真剣に取り組んでみてください。どんなに些細なことでも構いません。見ている人はきちんと見ています。それでも状況が変わらなければ、別の環境を探すことをおすすめします。会社側が教育を放棄している、放置しているなど、会社側に問題があるケースも実際に存在します。その場合は、見切りをつけた方が早いでしょう。
今、窓際族という状態にあったとしても、過去は過去のこととして、これからのことを前向きに考えてください。過去は変えられませんが、これからの行動で未来は切り開けます。そのきっかけは、自分の考え方次第です。小さなことかもしれませんが、これに気づけた人は、本当に人生が変わります。まずは行動してみることです。
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