人生キャリア

入社してすぐ辞める人は甘えなのか|退職者の3人に1人が半年未満

入社してすぐ辞める人は甘えなのか|退職者の3人に1人が半年未満

この記事の要点

  • 入社してすぐ辞めるのは、採用側から見ても「もったいない」と「仕方ない」の両方が事実
  • 心身の不調など明らかに続けるのが難しい場合は、無理をせず離れることも間違いではない
  • キャリアを立て直せるかどうかは、辞めた後にしっかり働ける職場を見つけて働き続けられるかで大きく変わる
  • 我慢すべきか見切るべきかは、成長・経験・充実感・理想の働き方など複数の軸で定期的に見直すのがおすすめ

入社したばかりなのに、もう辞めたい。そんな気持ちを抱えて、後ろめたさや焦りを感じている方も多いのではないでしょうか。「せっかく採用してもらったのに」「甘えなのでは」と自分を責めてしまう気持ちもよくわかります。

この記事では、元人事責任者・マネージャーとして数多くの早期退職者と向き合ってきた立場から、採用側の本音、キャリアを立て直せる人とそうでない人の違い、そして我慢すべきか見切りをつけるべきかの判断のヒントについてお伝えします。

「もったいない」けれど「仕方ない」でもある

データで見る

ある調査によると、新卒3年未満で正社員を退職した若年層のうち、3人に1人は入社半年未満で離職しているという結果が出ています。入社してすぐに退職を決断すること自体は、決して珍しいケースではありません。

出典:PR TIMES「新卒3年未満で正社員を退職した若年層の意識調査」

採用側の本音として正直にお伝えすると、入社してすぐ辞められるのは「もったいないな」と感じることはあります。その職場で学べたはずのことや、育っていたかもしれない可能性を思うと、そう感じるのは自然なことです。

一方で、それは本人の意思決定であり、仕方のない部分でもあると考えています。結果論にはなりますが、すぐに辞めたことによって、その後より良いキャリアや職場、出会いに巡り会える人も実際にいます。心身の不調など、明らかに続けるのが難しい場合には、無理をせず離れることに何の問題もありません。今は人手不足で働き口も多く、選択肢は決して少なくないはずです。

個人の人生に責任を持てるのは、結局のところ本人だけです。倫理的にどうかという議論はありますが、そうした人を採用してしまった側、受け入れ体制や採用プロセス側の責任でもあると思っています。

「もう辞めたい」と相談された時、上司は何を見ているか

マネジメントの立場で部下から「もう辞めたい」と相談を受けた時は、まず一時的に感情的になっているだけなのか、それとも意思としてすでに固まっているのかを確認するようにしていました。冷静にその状況を受け止めた上で、会社側や自分自身に改善できる点がないかを見極め、改善の見込みがあれば対処し、見込みがなければ本人が円滑に辞められるよう、引き継ぎや社内でのアナウンスの仕方を検討します。

正直なところ、「もう辞めたい」と相談される時点で、すでにかなり厳しい状況になっていることが多いというのが実感です。まずはその事実を受け入れることから対応が始まります。

元人事として言える、退職代行を使っていい場面

採用側からすると「退職代行を使った」こと自体はマイナスになりません。言い出せないまま消耗し続ける方が、次の転職に響きます。どうしても自分で言えないなら、使うべき場面はあります。

キャリアを立て直せる人・そうでない人の違い

すぐに辞めた後、キャリアを立て直せるかどうかは、正直なところケースバイケースで、これといった再現性のある法則があるわけではありません。ただ、傾向として見えてくるものはあります。

立て直しやすい人・難しい人の傾向

  • 立て直せた人の多くは、その後にしっかり働ける職場を見つけ、比較的長めに働き続けられている
  • 逆に、他の職場でも転々と辞めてしまい、経験やキャリアの土台が積み上がっていないと、その後のキャリア形成が難しくなりやすい
  • 「辞めた後にどう行動したか」が、その後のキャリアを大きく左右する

つまり、すぐ辞めること自体が問題なのではなく、その後にどんな職場でどう働き続けるかが、キャリアの立て直しを左右するということです。

我慢すべきか、見切るべきか?判断のヒント

「石の上にも三年」的な我慢と、早期に見切りをつけるべき判断の境界線は、正直なところ一つに単純化できるものではありません。それでも、考える上でのヒントはあります。

判断の視点

視点考え方のヒント
自分がどんな人生・キャリアを目指したいか今のキャリアがその延長線上にあるかを考えてみる
今、成長できている実感があるか実感があれば、もう少し様子を見る価値がある
経験が積めている、仕事に充実感があるかどちらも満たされていなければ、見切りを検討する材料になる
今の働き方は自分の理想に近いか理想から大きく外れている状態が続くなら、環境を変える選択肢を持つ

逆算的に将来から考える思考法は有効ですが、その通りに計画が進むとは限らず、運の要素も大きく、想定していなかったチャンスに恵まれることもあります。だからこそ、今の時点で明らかにこれらが満たされていないなら見切りをつけてよいですし、まだわからない段階であれば、一定期間働いてみて自分が成長できているかを判断軸にするのも一つの方法です。

明確に単純化はできませんが、成長・経験・充実感・理想の働き方という複数の軸で、定期的に自分の状況を振り返ってみることが大切だと思います。

よくある質問

Q. 入社してすぐ辞めるのは、やっぱりもったいないですか?

A. 学べる可能性を考えると「もったいない」と感じる面はありますが、それは結果論でしかありません。すぐに辞めた後、より良い職場や出会いに巡り会える人も実際にいます。

Q. 心身の不調がある場合も、我慢して続けるべきですか?

A. いいえ。心身の不調など明らかに続けるのが難しい場合は、無理をせず離れることに問題はありません。今は働き口の選択肢も多くあります。

Q. すぐ辞めた後、キャリアを立て直せるか不安です。

A. 辞めた後にしっかり働ける職場を見つけ、そこで働き続けられるかどうかが大きなポイントです。転々とすることを避け、次の職場選びを丁寧に行うことをおすすめします。

Q. 我慢すべきか見切るべきか、どう判断すればいいですか?

A. 成長できている実感があるか、経験が積めているか、充実感があるか、理想の働き方に近いかなど、複数の視点から定期的に振り返ることをおすすめします。

入社してすぐに辞めたくなったとしても、それ自体はそこまで問題のあることではありません。まずは自分がどんな人生・キャリアを送りたいのかを軸に、いろいろな角度から考えてみてください。他にも選択肢があると知ることで、悩みが軽くなることもあります。時間軸を少し先まで延ばして考えてみることも、視野を広げるきっかけになるはずです。

元人事として言える、退職代行を使っていい場面

採用側からすると「退職代行を使った」こと自体はマイナスになりません。言い出せないまま消耗し続ける方が、次の転職に響きます。どうしても自分で言えないなら、使うべき場面はあります。

ABOUT ME
TARO
IT業界で人事採用責任者・事業責任者を経験。累計500名以上の採用面接・50名以上の採用実績をもとに執筆。自身も新卒短期退職→転職でキャリアを立て直した経験あり。採用側と転職者側、両方のリアルを発信します。

あなたの市場価値を無料で確かめてみる